あなたはどのタイプ？
気になる歯並び別
「治療法」と「リスク」
出っ歯
出っ歯（上顎前突）とは、上の前歯が通常よりも前に出ている歯並びのことを指します。出っ歯の特徴としては、横顔のEラインから唇が大きくはみ出している、口が閉じにくい、前歯が強調されるといった点が挙げられます。軽度のものから重度のものまで様々なタイプがあり、見た目だけでなく、機能面でも問題を引き起こす可能性があります。具体的なリスクは次の通りです。
リスク1前歯や唇をケガしやすい
前歯が出ていると、思わぬ事故や転倒の際にダメージを受けやすく、折れたり欠けたりする危険性が高いとされています。特に、スポーツや日常生活での衝突が原因となりやすく、歯だけでなく唇や口周りの軟組織にも傷を負うリスクも高くなります。
リスク2奥歯への負担が掛かりやすく将来的に歯を失う可能性が高い
前歯が正しく噛み合わないと、食べ物を噛み切る際に本来前歯が担う役割を奥歯が補うことになります。その結果、奥歯に過剰な負担がかかり続けるため、すり減りや亀裂、歯周病の進行を早める原因となります。さらに、この負担が長期間続くと奥歯の寿命が縮まり、最悪の場合、歯を失うリスクが高まることもあります。
リスク3虫歯や歯周病リスクが高くなる
出っ歯の方は口が閉じにくい傾向があります。そのため口呼吸になりやすく、無意識のうちに口呼吸が習慣化すると、口腔内の湿度が低下し、乾燥しやすい状態になります。これにより唾液の分泌が減少し、唾液が本来持つ自浄作用や抗菌作用が十分に働かなくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、口の中が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となることもあります。
リスク4顎関節症のリスク
前歯で正しく噛むことができないと、自然と奥歯に頼った噛み方が習慣化し、噛み合わせのバランスが崩れる原因となります。その結果、奥歯や顎の筋肉に過剰な負担がかかり続け、顎関節に影響を及ぼすことがあります。特に、長期間にわたる不均衡な噛み合わせは、顎の痛みや開閉時の違和感、音が鳴るといった顎関節症の症状を引き起こすリスクを高めます。
リスク5消化器官への負担
食べ物を十分に噛み砕かないまま飲み込むと、消化の第一段階である咀嚼（そしゃく）が不十分になり、胃腸に大きな負担をかけてしまいます。その結果、消化不良や胃もたれ、栄養の吸収効率の低下を引き起こし、長期的には胃腸障害のリスクが高まることもあります。
すきっ歯
歯と歯の間の隙間が気になりませんか？特に前歯の真ん中の隙間は、笑顔に自信が持てなくなる原因になるかもしれません。
この隙間は生まれつきの場合もあれば、以下のような要因で後から空いてしまうこともあります。
・お子様の頃からの指しゃぶりの習慣
・あごの形や大きさの特徴
でも、ご安心ください。
多くの場合、歯を抜かずに治療が可能です。また、他の歯並びの治療と比べて、治療期間も比較的短めです。自信を持って笑えるようになりたい方、お気軽にご相談ください。一緒に理想の笑顔を目指しましょう。
すきっ歯のリスク
「すきっ歯は見た目だけの問題ではないの？」そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。
確かに、歯と歯の間に隙間があると歯磨きがしやすそうに見えます。しかし実際には、放っておくと以下のような健康上の問題につながる可能性があります。
①歯の病気のリスク
食べかすが隙間に詰まりやすくなります。そのまま放置すると、虫歯や歯周病の原因になることも。
②歯の根元への負担
歯の隙間によって正しく噛み合わなくなると、特定の歯に過度な力がかかります。その結果、歯の根元が傷んでしまうことも。
③あごの関節への影響
噛み合わせのバランスが崩れることで、あごの関節に負担がかかります。これにより、あごの痛みや開けにくさといった症状（顎関節症）を引き起こす可能性があります。
見た目の気になる「すきっ歯」。実は、あなたのお口の健康にも深く関わる問題かもしれません。
デコボコの歯の（叢生）
歯がデコボコに重なっていたり、特に上の犬歯が前に飛び出ていたりする状態を、「叢生（そうせい）」と呼びます。一般的には「乱ぐい歯」や、犬歯が飛び出している場合は「八重歯」という言葉でよく知られています。この症状は多くの場合、あごが小さいために歯が並ぶための十分な場所がないことが原因で起こります。
叢生のリスク
「デコボコした歯並び」は見た目だけの問題ではありません。実は、あなたのお口の健康や体全体に影響を及ぼす可能性があります。主なリスクは以下の4つです。
①歯の病気になりやすい
歯がデコボコに重なっていると、歯ブラシが届きにくい場所ができます。そこに汚れが残りやすく、虫歯や歯ぐきの病気の原因になることも。
②食べ物が噛みづらい
歯が正しく噛み合わないため、食べ物を十分に噛み砕けません。その結果、胃腸の調子が悪くなったり、栄養がうまく取れなくなったりすることも。
③話しづらい
前歯が正しい位置にないと、「さしすせそ」や「たちつてと」といった発音が聞き取りづらくなることがあります。
④歯が弱くなる
デコボコの歯並びでは、特定の歯に負担が集中します。そのまま放置すると、歯や歯ぐきが弱くなり、最悪の場合、歯を抜かなければならなくなることも。
このように、デコボコの歯並びは様々な健康上の問題につながる可能性があります。気になる方は、早めの相談をおすすめします。
受け口
「上の歯より下の歯が前に出ている」状態を「受け口」と呼びます。この歯並びは大きく分けて2つのタイプがあります。
タイプ1：歯並びが原因の場合
歯の並び方自体に問題がある場合です。この場合は、歯列矯正装置（いわゆる「矯正」）での治療が可能です。
タイプ2：あごの骨の形が原因の場合
あごの骨格そのものに原因がある場合です。こちらは通常の矯正治療だけでは改善が難しく、手術が必要になることがあります。手術を伴う治療では約2週間の入院が必要となるため、お仕事や学校との兼ね合いを考える必要があります。
当院では、両方のタイプに対応可能です。手術が必要かどうかは、詳しい検査で見極めていきます。経験豊富な専門医が、あなたに最適な治療方法をご提案させていただきます。
受け口のリスク
受け口による影響は、実は見た目以外にも様々な健康上の問題につながる可能性があります。
①顔の印象が変わる
歯並びの問題が続くと、下あごが前に突き出たように見える「しゃくれ顔」になることがあります。これにより、お顔全体のバランスが悪くなることも。
②奥歯が弱くなる
歯が正しく噛み合わないため、奥歯に大きな力がかかります。そのまま放置すると奥歯が傷み、最悪の場合、抜歯が必要になることもあります。
③あごの関節が痛む
噛み合わせの悪さから、あごの関節に負担がかかります。その結果、痛みが出たり口が開けづらくなったりする「顎関節症」という症状を引き起こすこともあります。
④胃腸の調子が悪くなる
前歯でうまく噛めないと、食べ物を十分に細かくできません。そのため、大きいまま飲み込むことになり、胃腸に負担をかけ、消化不良などの原因になることも。
このように、受け口は全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。気になる症状がある方は、早めの相談をおすすめします。
前歯が噛み合わない
「前歯で物が噛めない」「前歯が閉じない」。このような状態を「開咬（かいこう）」と呼びます。この状態は、上下の前歯が全く接触しない症状を指します。歯並びの問題の一つですが、一般的な「出っ歯」などとは異なる特徴があります。なぜこのような状態になるのでしょうか？
主な原因は、食べ物を飲み込む時の「舌の使い方」にあります。舌が前に出すぎる、上あごに強く押し付けるなど、不適切な舌の動きが習慣化すると、徐々に歯並びが変化していきます。
この症状の改善には2つのアプローチが必要です。
・歯列矯正による歯並びの修正
・正しい舌の使い方を身につけるトレーニング
特に舌のトレーニングは、治療後の再発を防ぐためにも重要です。
気になる症状がある方は、まずは専門医への相談をおすすめします。早めの対応で、より効果的な治療が可能です。
開咬のリスク
「前歯が閉じない・噛めない」この状態が続くと、日常生活のさまざまな場面で不便やストレスを感じることがあります。
主な影響は以下の通りです。
①食事が楽しめない
前歯で上手く噛み切れないため、特にラーメンやパスタなどの麺類を食べるのが難しくなります。噛まずに丸呑みしがちになり、胃腸に負担がかかることも。このような不便さから、外食を避けたり、食事を楽しめなくなったりすることがあります
②奥歯が弱くなる
前歯で噛めないため、奥歯ばかりを使って食べることに。その結果、奥歯に過度な負担がかかり、歯が弱くなってしまう可能性があります。
③あごの関節が痛む
噛み合わせの悪さから、あごの関節に負担がかかります。その結果、痛みが出たり口が開けづらくなったりすることも。
④話しづらくなる
前歯が正しく閉じないため、発音が不明瞭になることがあります。人と話す時に気になったり、自信が持てなくなったりすることも。
このように、前歯が噛めない状態は生活の質に大きく影響します。お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
噛み合わせが深い
過蓋咬合（かがいこうごう）とは、上の歯が下の歯を通常より深く覆い隠してしまう噛み合わせの異常です。実はさまざまな原因が関係しています。
主な原因として、歯の傾きやあごの大きさのバランスの崩れが挙げられます。例えば、
・上の前歯が前に傾きすぎている
・下の前歯が後ろに傾いている
・上あごが過度に成長している
・下あごの成長が不十分
といったケースでは、過蓋咬合が起こりやすくなります。
また、後天的な影響も無視できません。たとえば、唇を噛む癖や指しゃぶりなどの習慣が長く続くと、歯並びやあごの発達に影響を与え、過蓋咬合を助長することがあります。このように、過蓋咬合はさまざまな要因が絡み合って生じるため、正確な診断が重要です。
過蓋咬合のリスク
過蓋咬合は、見た目の問題だけでなく、口の健康や全身の機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。放置するとさまざまなリスクを引き起こすため、注意が必要です。
①歯茎へのダメージ
下の前歯が上の前歯の裏側の歯茎に当たることで、炎症や口内炎が起こりやすくなります。これが続くと、歯茎が傷つき、口の中の健康が損なわれる原因になります。
②噛む力の低下
前歯の噛み合わせが弱いため、食べ物をしっかり噛み砕くことが難しくなります。その結果、消化に負担がかかり、胃腸の不調や栄養の吸収不足につながることがあります。
③顎関節への負担
過蓋咬合によって下あごの動きが制限されると、顎関節に余計な負担がかかります。この状態が続くと顎関節症を引き起こし、顎の痛みや口の開閉のしづらさが生じることも。さらに悪化すると、頭痛や肩こりなど、全身に影響を及ぼすことがあります。
④見た目への影響
上の前歯が下の前歯を覆いすぎると、笑ったときに歯茎が目立つ「ガミースマイル」になりやすくなります。そのため、人前で笑うことに抵抗を感じたり、自信を失ったりする原因になることがあります。
過蓋咬合は、単なる歯並びの問題ではなく、健康や生活の質にも関わる重要な症状です。適切な治療を受けることで、これらのリスクを軽減できます。
ズレた咬み合わせ（顎のズレ）
顎のズレ（偏位）とは、上下の歯の中心がずれている状態のことを指します。このズレには個人差があり、左右にずれるだけでなく、斜めに傾くケースもあります。偏位の主な原因は下記になります。
片側で噛む癖
片方の歯ばかり使って噛む習慣が続くと、少しずつ歯並びや顎にズレが生じてしまいます。
歯の本数の違い
生まれつき歯の本数が少ない「歯の欠損」や、歯ぐきの中に埋まったままの「埋伏歯（まいふくし）」があると、左右のバランスが崩れやすくなり、偏位が起こりやすくなります。
遺伝の影響
顎の形や噛み合わせの特徴は遺伝することがあり、それが偏位の原因になることもあります。
偏位は見た目の問題だけでなく、噛み合わせの悪化や咀嚼機能の低下、顎関節への負担につながる可能性があります。そのため、早めに気づき、適切な治療を受けることが重要です。
ズレた咬み合わせのリスク
偏位（顎のズレ）は、見た目の問題だけでなく、口の健康や全身の機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。放置すると、次のようなリスクが生じることがあります。
①顔の歪み
顎のズレが大きくなると、顔全体がゆがんで見えることがあります。これは見た目だけの問題ではなく、自己肯定感の低下につながることも。外見の変化がストレスとなり、心理的な負担を引き起こす可能性があります。
②顎関節への負担（顎関節症のリスク）
偏位によって下顎の動きが制限されると、顎関節に負担がかかりやすくなります。この状態が続くと、顎関節症を引き起こし、顎の痛みや口の開閉のしづらさが生じることも。さらに重症化すると、頭痛や肩こりなど全身の不調につながる可能性があります。
③噛む力の低下
噛み合わせが悪くなると、食べ物をしっかり噛み砕くことが難しくなります。これにより、消化不良や胃腸への負担が増え、栄養の吸収が妨げられることもあります。
④笑顔や歯並びへの影響
顎のズレによって歯の見え方や笑顔のバランスが崩れることがあります。これが原因で、自信をなくしたり、人前で笑うことを避けたりするケースもあります。偏位は見た目だけでなく、健康や生活の質にも関わる問題です。気になる症状があれば、早めに専門家に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
